息子が自閉症と診断されるまで⑤
まだ、おはじきと数え棒の名前付けに向かい合えないトラトラ♪です・・・
早くしないとと思いつつ現実から逃げている状況です・・・
前回の続きです。
3歳児検診の時に「発達障害の可能性があります」と告げられ、専門機関を紹介してもらい、予約を取りました。
予約が1ヶ月先という事でしたので発達障害のことをいろいろ調べる時間があり、仕事中も時間が空けば発達障害の事を調べていました。
また、夜なると奥さんと、お互い発達障害で調べたことを確認をしていきました。
そして自閉症スペクトラムと言う障害に症状が似ている事に気づきました。
発達障害にも大きく分けて
ASD(自閉症スペクトラム・アスペルガー症候群)・ADHD(注意欠如多動性障害)・LD(学習障害)
の3種類があるようですが、3歳時検診時に指摘された「人の目を見ない」「逆さバイバイ」「クレーン現象」は自閉症スペクトラムの子供に表れやすい行動のようです。
そんな事を調べているうちに、専門機関の診察日になりました。
発達障害のことはいろいろ調べていたのですが、専門機関でどんな事をするかまったく調べていませんでしたのでドキドキしてしまいました。
現地に到着し、待合室で待っていたのですが判定をする機関ですが、療育施設も併設しているところでしたので知的障害・身体障害をもっている子供も療育に通っていました。
そのうち、名前を呼ばれ息子の順番です。
先生には息子一人と言われ室外で待とうとしたのですが、息子が怖くなったのか泣き始めました。
このままでは検査どころではなくなりますので、私達も一緒に室内に入れせてもらい検査を始めました。
まずは先生から「こんにちわ」とあいさつをされますが息子は反応せず、また、名前を聞かれても反応せず、その様子を記録していく先生を見るたび不安に押し潰されそうな自分がいました。
その後、先生が作った積み木を見せて同じように積み木を作るよう言っても自分の好きな形に積み木を積んでいく息子。
先生が鉛筆で図形を書いて同じ図形を書いてと言っても好き勝手に書く息子。
そんな検査が1時間ほど続き、検査が終わりました。
判定が出るまで待合室で待つよう言われ20分程待ちましたが、その待ち時間の間考えることは「結果が出るのが怖い」「判定を聞かずに帰ろうか」と言うネガティブな考えばかりが出てきました。
3歳児検診の時に「息子の為に!」と心に誓ったのですが、いざ判定が出るとなると不安が先にきてしまいます。
ダメな父親ですね。。。
そんな葛藤をしているなか、名前が呼ばれました。
先ほどの検査室とは違う部屋に呼ばれ、判定を聞くことに。
判定をしてくれた人とお医者さんが座っていました。
おもちゃが置いており、「お話の最中は息子さんおもちゃで遊ばせてもらって大丈夫ですよ」と言われたので息子をおもちゃで遊ばせながらいよいよ話が始まります。
「まだ3歳だから確定ではないのですが」や「この年齢が一番判定が難しい年齢ですので」と私達の心情を考えてか、いやに前置きが長く、私としてはもどかしい気持ちでした。
ただ、判定を告げるほうの立場になるとそう言う対応になってしまうんだろうな、とも思います。
そんな前置きが終わり告げられたのは
「息子さんは自閉症の可能性が限りなく高いです」
私はしばらく無言になりましたが「やっぱりそかう」と、すべてを受け止めようと心に決めて部屋に入りましたがいざ告げられると呆然となり、頭が真っ白になりました。
先生の「お父さん」の言葉で「ハッ!」と我に返りました。
診察日までの期間、発達障害に関してかなり調べていたので分かってはいたのですが、先生に「自閉症というのは治るものでしょうか?」と質問しました。
もちろん返事は「治りません」です。
分かっていながら聞く私もどうかしていますが、今までは素人の私が調べた内容で、もしかしたら治す方法があるんじゃないかと淡い期待を持っていましたがそれも無くなりました。
その後は息子の判定結果の内容や療育手帳の話、療育施設の紹介、自治体でのサポート等の説明を聞き、その日の診断は終わりました。
そして専門機関を出て、息子と手を繋ぎながら判定結果の件や今後のことなどを考えながら帰宅しました。
その日帰宅すると、いつもは一人で遊ぶ事がほとんどなのですがなぜか息子が私に対して異常に甘えてきました。
そして何回もキスをしてくるのです。
私は息子がダメな事をすると最初は口で「ダメ!」と言うのですが何回言っても聞かないことが多いので泣き真似をするのです。そうすると悲しそうな顔をしてキスをしてくれるのですがたぶん息子なりに私が悲しい顔をしていたのか「悲しんでいるから慰めてあげなければ」と思ってくれたのでしょう。
息子は何度も何度もキスをしてきました。
その行動に私は涙が出そうになるのをこらえて笑顔で息子を抱きしめました。
一番しんどい思いをしている息子に一番助けてあげないといけない父親が逆に慰められる。
「本当に情けない父親だな」と改めて思い、ギュッと抱きしめました。
私はこれまで周りの子との差や言葉の遅さ、パニックになることなど周りの目ばかり気にして「なぜそうなるのか?」と言う本質から目を背けていました。
今回障害があると判定され、つらい気持ちはありましたが判定された事により息子に対してどう接するか、どういう教育を受けさせのるのが良いか?
その部分が明確になった事により少しですが前を向いていけるようになったかなと思います。
正直今でも「障害ではなくて息子は喋れるのにわざと喋ってないのではないか」「ある日突然喋り出すのではないか」など心のどこかで思っている自分がいます。
ただ以前と違い、息子の障害を受け入れることが少しはでき精神的にも少しは落ち着きを取り戻したと思います。
4月には小学校に入学と息子は新たな環境に身を置きます。
馴染むまでには時間がかかると思いますが息子とともに乗り越えていければと思います。